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2019年8月19日 (月)

京都アニメーション放火事件から1か月をうけての雑感

 去る7/18に発生した、京都アニメーション第一スタジオへの放火事件から1か月。多くの方々が犠牲となり、また負傷されたこの事件には筆者も心を痛めています。身内や知人がいたわけではなく、京アニの作品も多くを観てきたわけでもないにわかファンではありますが、父親が亡くなった時と同じくらい辛く感じています。いろいろ思う所を雑感としてつれづれ記録しておきます。

 報道によれば、この京アニのスタジオは法律に定められた防火基準を充分満たしており、なおかつ避難訓練など自主的な防災への取り組みが評価され、京都市消防局から表彰を受けるほどだったとのことです。火事への備えなど考えも及ばない会社などごまんと存在する中で、おろそかにせず対処していた京アニさんの企業としての素晴らしさは、こういう方面からもうかがい知れます。しかし「ガソリンをまいて放火されても大丈夫なように備える」ところまで法律が想定しているはずもなく、最初から殺すつもりで襲撃してきた者に目を付けられてしまった本件に関しては、ただただ「運が悪かった」としか言いようがなく、それを思うと辛さは増すばかりです。

 感情をいったん排して企業実務的な観点から本件を見ると、これは「労働災害」と扱われるのかが気になるところです。「労働者が個人的な恨みなどにより第三者から暴行を受けて負傷した場合」は業務災害として認められない、という指針が厚生労働省から示されており、もろに当てはまるように思えますが、かなり早い時期に京都労働局から「労災扱いとなる」旨の見解が発表されていました。労災扱いなら治療費の自己負担はないので、そういう面からは少しだけ救われた感があります。

 既に20億円を超えているという支援寄付金の扱いについても大いに気になります。法人が受けた寄付の類は「受贈益」として扱われ、原則として法人税の対象となります。建物や備品の滅失と、売上の減少等で次の決算期ではかなりの損失が見込まれそうとはいえ、それを上回って寄付が集まったなら当然税金として持っていかれる分も発生します。忍びないところです。官房長官が「具体的な支援」に言及したことに関して「特定の企業を優遇する」などと批判する向きもあるようですが、京アニに限らずこれを契機として、被災した法人が受けた寄付金の益金不算入(全額でなくてもいいだろう)といった税法上の措置が恒常的に設けられるといいと思います。

 またつくづく感じたのは「文化と称されるものが、ごく少数の人々によって担われていることの危うさ」。アニメ制作現場の人手不足はよく知られていることですが、こうした不慮の事態で人材が一挙に失われた場合、業界そのものが消滅しかねないことに恐ろしさを感じました。これはアニメに限らず、今の我々が「伝統芸能」とか「伝統工芸品」と呼んで尊重しているものや、歴史の教科書に「○○文化」として載っているものも同様でしょう。親しむ人の多さや市場規模の大きさに比べて、作り手側の数というのはきわめて少ない。文化というのは昔からそういう危うさの上に成り立ってきたことへ思いを致す時、何だか言いようのない無常観すら感じます。

 もうひとつ気になったのが「この行為を『テロ』と呼んでいいのか」。改めて辞書を引き、「テロ」とは何かを調べてみました。手持ちの新明解国語辞典(第四版)によると、「テロ」とは「テロリスト・テロリズムの略」だそうです。

・テロリズム→政見の異なる相手、特に政府の高官や反対党の首領を暗殺したりして、自己の主張を通そうとする行為(を是認する主義)

・テロリスト→政治的理由で要人を暗殺する者(を教唆する人)

この辞書はテロの目的を政治に限定して考えているようですが、宗教的信条に基づくテロが多発している現在では「自分が認めることのできない主義主張を暴力的な手段で破壊する」ことをテロと定義してよさそうです。そういう意味では確かにテロなのかもしれませんが、こんなのは実行犯の腹いせに過ぎず、テロなどと呼ぶことによってほんのわずかでも正当性を感じさせるようなことになっては悔しい。どうしたらいいのか分かりません。

 あと残念に思ったのが、ヤフオクで京アニ関連のグッズが多く出品されて、なおかつかなりの高額で落札されているのが目立ったことでしょうか。気持ちは分からないでもないのですが、何だか割り切れません。特に高値が目立っていた「描き下ろし生動画」というものは、京アニショップの店頭で販売されていたもので、好きな「けいおん!」のグッズの中でも、ひとつくらいは「ホンモノ」を持っていたいと思い、筆者も以前訪れた機会に思い切って中野梓ちゃんのものを購入しています。これも今回被害を受けた方々の手によるものなのかもしれない、と考えるとたまらなくなります。筆者は今後も大切にするつもりです。
20190819

 筆者にできることなど何もなく、改めて己の無力さをかみしめています。現場で献花の一つもしたいのですが、これもあまり意味あることとも思えませんし、将来的に慰霊の場所に変わってから訪問しようかと考えています。そんな中でも献血ならば負傷された方へ間接的にでも役に立つかもしれません。とりあえず事件直後に一度、京都伏見の献血ルームに行ってきましたが、今後もしばらくは京都で献血することを心がけます。

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